阿部参謀率いる遊撃隊は徐々に砂漠へと誘いこまれる。砂漠に誘い込む前に攻撃すればいいと思うのだが、、何故砂漠を選んだのか? あいにく近くに中国軍の兵力が居なかったか?しかしここは中国軍の勢力圏である。砂漠に誘いこんだのは中国軍の参謀であり、砂漠で生まれ育った白という人物。後の水戸黄門であらせられる西村晃が演じる。
砂漠の中でも直接攻撃はせず遊撃隊が体力的に消耗して気が狂うのを待っている。話の中で白の父の水守(藤原釜足)が「何故一思いに殺さないのか、気が狂うまで待つの残酷だ!」と白に問いただすと「相手は七人で勝ち目がない。気が狂うのを待つしかない」と答えている。しかし父である水守に依頼し遊撃隊に水を飲ませ、水筒に入った水を持たせる。水筒の中は後に酒だとわかるが、、 何故水を与えたのか? さらに遊撃隊から水を奪うために隊員が水筒の水を飲もうとした瞬間に水筒を打ち抜いて水を奪った。どうして人間を撃たなかったのか?一人ずつ撃って殺して行ける状況である。また遊撃隊は2-3日間砂漠の中を彷徨っていた様子。この間に援軍を呼べば砂漠の中で簡単に勝てた筈である。
中国軍側にもなにかよほどの事情があったに違いないが、考えられる最大の理由は白が自分の作戦に美学を持っていたことではないかと思う。自分が描いた筋書き通りに相手が行動し、破滅に向かって進んで行く様子を見て満足したかったのではないか?
最終的には遊撃隊の一人が気が狂い全員が同志撃ちをして死んでしまった。それを見た白が死体を確認しに砂漠の上から駆け下りてきた。この走り方が実にかっこいい。丁度富士山の須走りを駆け下りるような、砂漠に生まれ育ったものにしかできない走りである。しかし突然生き返った阿部参謀に撃たれてしまう。そう、同志撃ちは芝居だった。阿部参謀も足を撃たれる。最後白が「阿部参謀 あなたの勝ちです。砂漠を抜ける道はこっち」と言って死ぬ。
二人の参謀が文字通り死力を尽くして相手の作戦を読み、裏をかき戦いを繰り広げた。圧倒的に白が有利であったが最後に阿部参謀が逆転した。白が自分の作戦に酔いしれ最後に墓穴を掘ったというところであろうか。
2年前に枯れた井戸を今も守る藤原釜足の言葉も感慨深い。「代々水守だから井戸が枯れても水を守るのが私の仕事だ。1日かけてここへ水を運びあとは寝るだけさ。水守だから」水の調達手段に対しては環境変化に適応するが自らの役割を頑固なまでに変えようとしない。しかし収入はどうやって得ているのだろう。
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