2010年4月21日水曜日

運行再開

火山灰はいまだUK上空にあるが飛行規制の許容値を上げて飛行可能となった。しばらくは航空会社のロジスティック面での問題があり通常運行に戻るにはしばらく時間がかかると思うが、火山灰による規制はよほど濃度が上昇しない限り起こらないと思われる。今回の規制緩和は安全第一と航空業界からのプレッシャー(悲鳴)の妥協によるものだと思うが、くれぐれも本当に安全であって欲しいものだ。

以下は今回の規制緩和に関するBBCの報道だ。

UK Met Officeはまだ上空に灰を観測しているのに何故飛行が許可されたのか?
The Civil Aviation Authority (CAA) は航空技術者や専門家による6日間の議論の末、火山灰中の飛行規制のガイドラインを変更することに合意したと語った。

The CAAのスポークスマンはBBCニュースで次のように語った。 "エンジンと機体の製造メーカはテストフライトした飛行機の状態とMet Officeのデータをもとにどの程度の火山灰なら損傷なしに飛行できか調査するよう依頼された。

科学者や技術者は安全許容値を 火山灰密度0.002g/立法メータとすることで合意した。これ以下の密度ではエンジンや機体にダメージがないことを意味する。

マンチェスター大学のCentre for Atmospheric ScienceのDr Grant Allenは 現在のUK空域の火山灰密度は0.0001g/立法メータと推測されると語った。

"大気の測定は初期段階であり今後の測定結果により補正する必要がある”と彼は語った。
"二機の調査機が水曜日に飛行し火山灰のサイズの分布を計測して新しい許容値に対してどの程度か、また昨日の飛散量と比べて変化があるかを測定する。”

Open air
The CAA は新しい許容値より灰の飛散量が少ない空域は飛行可能とする。

とすると飛行規制は本当に必要だったのか?灰の飛散量は安全は飛行を阻害するするほど濃かったのか?

これに対する答えは明確ではない。今回の騒動の前の規制はInternational Civil Aviation Organisation (ICAO)という国際機関で決められていた。ここでは”許容できない”限界値を決めていた。

UK's Institution of Mechanical EngineersのDr Colin Brown,は最新の機器で測定できる程度の希薄な火山灰の量を以前は測定するこができなかったと述べた。

"以前の規制は、火山灰が見えたら100マイル以上離れて飛べ”だったと彼は語った。
"しかし今回は欧州の主要な空港全体を覆う状況でありこれは以前予想していない事態であった”
そこで6日以上にわたりNatural Environment Research Council (Nerc)はDornier 228 research aircraftを飛ばして異なる高度での粒子サンプルを採取してきた。

The UK's Facility for Airborne Atmospheric Measurementsも火曜日に調査飛行を行った。これらの飛行の両方で目には見えない微小な粒子を検出した。

BAなどの航空会社によるテスト飛行は単純にフライト後のエンジの損傷の具合を調べることが目的であった。

これらの飛行の結果をもとに新しい規制が作成された。
The Met Officeは新しい規制値を"Name" モデル(Numerical Atmospheric-dispersion Modelling Environment)として導入し、灰の密度のマップを作成する。

"モデルは衛星や飛行機や気球によって観測された値とlidar(レーダーの一種)などの地上からの観測値と定期的に照合し更新する。”とMet OfficeはBBCに語った。

The CAA のスポークスマンは "火山灰はUKを去っていない。まだここにある。そして非常に流動的な状況だ。一部には黒点(密度が濃い部分)がある。これらは6時間毎に更新する。”と語った。
The CAAの声明によると新しいガイドライン導入後も航空会社は”飛行前後の灰によるダメージの徹底的な検査とメインテナンス”を要求する。

"Nats [the UK air traffic authority] は航空管制に責任を持つのでMet Officeの情報をパイロットに伝える義務がある。”とCAAのスポークスマンは説明した。

つまりNats, は管制官経由でパイロットに特定の時間の灰の予測を伝える。この情報は同時に航空会社にも伝えられこれをもとに運行計画を作成する。

"全ての航空会社は常に天候を考慮している"  "だから新しいMet Officeの密度図は通常の飛行計画策定プロセスの一部として組込まれる."とNatsは語った。

適切な灰

データはエンジンの地上試験-様々な密度の灰によるエンジンのダメージを調査-によっても裏付けられている。
しかしDr Brownは、公式な安全基準を策定するためには実際の火山灰を観測する必要があると述べた。

"実際の場所で試験しないとならない" 彼はBBCニュースで語った。 "地上で実際とは違う灰でテストしても適切な評価はできない。"

航空コンサルタントのChris Yatesはこのような規制の変更が、時に大きな事故の原因となると語った。

"航空業界では、規制は常にゆっくり変化する,"彼は語った。
"製造メーカーは様々なことを経験して、証拠を目にして考え方を変えていく。これから数ヶ月かけ我々は多くのことを経験して規制を再定義することになるだろう。"

彼はさらに 今は飛行が再会したがCAAは灰の密度が上昇すれば再度空港を閉鎖するであろうと述べた。

政府の主席科学顧問の John Beddingtonは新しい規制は "guaranteed safety"と述べた。


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