アート・ペッパー、アート・ファーマーそしてズート・シムズ。いずれも世紀を揺るがす大作ではないが、アルバムとして小粋で出来が良く私は気に言っている。多分Modern Artというタイトルを付ける時にアーティストやプロデューサーは過去の同名のアルバムのことを意識すると思う。
クレア・マーチンのModern Artはどうだろうか? このアルバムはLinn Recordから販売されている。当然Studio Master QualityのFLAC版を購入した。
私の場合、音楽を聴いて最初に”凄い”と感激するような曲に出会うことは稀である。何回か聴いていると段々と良さが分かって来るか、結局良さがわからずにそのままになるかがほとんどだ。
このアルバムは数回聴くうちに良さが分かってきた。クレアの歌を聴くのは初めてである。声は際立った特徴のある声ではなく少々ハスキーで上品なアルトである。いずれの曲も伴奏のアレンジが良く、クレアが伴奏と巧みに絡みながら楽譜通りに歌うようなスタイルである。
たとえば一曲目のEveruthing I've Got Belongs To Youなどはこの典型である。そんな中で、8曲目のTotallyは少々ブルージーな雰囲気の曲で計算されない演奏的な感じにしているがこれもしっかりアレンジされていると思う。
音質は?というと肌触りがよく品の良いサウンドでバランスが良い。耳障りな音が無く心地よい。
いずれにしてもこのアルバムの魅力は落ち着いた声のボーカルと凝った伴奏のコラボレーションであり上品な音楽であり、聴くほどにコクが出てくるまるでスコッチ・ウイスキーのような音楽である。
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